確定拠出年金には、企業型と個人型があります。
会社が企業型の確定拠出年金を導入した場合の会社と社員のメリットは?
従来からある確定「給付」年金とは、会社がお金を貯めておいて会社が運用して、退職時に社員に払うというものです。
これに対して、確定拠出年金とは、
・会社が毎月従業員の専用の金庫のようなものにお金を入れてくれて、社員がそれを運用するというものです。言ってみれば退職金の前払いです。
・いったんその金庫に入れると、会社はそれを取り戻すことはできません。
・その金庫から取り出せるのは社員本人だけですが、60歳にならないと取り出せません。
・その金庫に入れる時も、入っている間も税金は取られません。
・金庫から出す時に税金がとられますが、優遇されています。
・預けたお金は信託銀行が自分の銀行のお金とは分けて管理しているので、安全性は高いのです。
さて、社員にとってのメリットは?
1.税金がかからなかったり優遇されたりしています。
掛け金をかけるときは非課税、運用中の運用益も非課税、受け取り時は一時金で受け取るときは退職所得控除、年金で受け取るときは公的年金控除が適用されます。
2.金庫に入れた時点で所有権が社員に移るので、会社がつぶれても不都合な理由で辞めざるを得ない時でももらうことができます。
3.転職しても持っていけます。
4.金庫を開けたら使っちゃうけど、60歳まで開けられないから使っちゃうことはない。
5.最初に課税でなく後で課税(優遇あり)なので、大きく増やせる。
6.投資信託の手数料は、この制度の中で使われるもののほうが一般のものより安い。
企業にとってのメリットは?
1.退職給付債務から逃れることができる。
2.運用の責任がない。
3.大企業では4割近くが導入。
中小企業が取り入れることにより大企業並みの福利厚生制度を導入できることとなる。
採用や大企業からの転職者にとって魅力的。
4.掛け金は全額損金。
企業にとっても社員にとってもメリットの多い制度ですね。